先輩体験談

踏み出す一歩が世界を広げる

STUDY ABROAD from KYOTO UNIVERSITY
祝迫 美羽(経済学部/3年生)

【名前】
祝迫 美羽

【学部/学年】
経済学部/3年生

【参加プログラム】
交換留学

【留学先大学名】
カリフォルニア大学サンディエゴ校

【留学期間】
2023年9月~2024年6月(約9か月)

アメリカの大学ならではの授業を体験

留学先ではもとより興味のあった心理学系の授業を中心に、自身の専門である経済経営系の授業や興味関心に沿い言語のクラスなどを受講した。クラスは1学期3~5クラス受講することが平均で、一つの授業は週に2回以上あるということが普通であった。クラスの規模も様々で、私は200人規模のクラスから20人ほどのクラスまで受講した。大きなクラスであっても、discussionという名の小規模な時間のクラスが設けられていることが多いため、手厚いサポートは受けられた印象である。
心理学の授業の中では特に「Learning Sustainable Wellbeing」という授業が印象に残っている。この授業ではマインドフルネス、ポジティブ心理学、認知療法などを組み合わせながら、あらゆる状況に対してどのように向き合っていくか、ということを学ぶ授業だ。授業の中で隣の人とのディスカッションがあったり、瞑想をしたり、授業の終わりには外に出て輪になってグループで一人一人自分自身のことを話す時間があったりと、とても“アメリカらしい”授業である。この授業では講義や様々なアクティビティを通して、一つの状況に対する様々な捉え方を学ぶ。この授業の中で最も印象的な学びは“Do not make an assumption. You are not mind reader.”というメッセージである。自分自身が落ち込んだり、腹が立ったりする原因には、勝手に人の気持ちを想像していることが多いということだった。この授業での気づきは今後の人生にとても活かせると思う。
経営系の授業では、ディスカッションが多く取り入れられ、「自分が何を考えているのか」ということを示すことが強く求められた。最初は英語でディスカッションしたり発言したりすることにとても緊張したが、どんな意見でも英語が完全でなくても、すごく興味をもって意見を受け入れてくれる環境があり、とても良い経験になったと思う。

過ごしやすいカリフォルニアでの生活

私はinternational houseという半分が現地のアメリカ人、半分が留学生といった構成の寮に住んでいた。4人でキッチンやバスルームを共有し、各人個室があった。私のルームメイトはアメリカ人が二人、アイルランドからのロシア人留学生が一人、そして私という構成であった。International houseには200名ほど住んでおり、韓国人が一番多かった。寮全体のイベントも定期的に開催され、寮生と交流する機会はたくさんもうけられていた。一方で、これはフラットによって異なるが、個室があったため、私のフラットではルームメイトとの交流は少なかった。しかし皆が綺麗好きで互いに気遣いながら生活していたため、他のフラットでみられたような騒音問題、ごみ問題等には幸い直面しなかった。寮制度は大学によって異なるが、留学自体が大きな変化によりストレスを感じることが多いため、個室でプライベート空間を得られたのは個人的には良かった。しかしルームメイトを持っていた友人は、その分ルームメイトとすごく仲良くなっていたため、一長一短ではあると思う。
また、私が留学していたのはアジア系アメリカ人が多いカリフォルニアで、最低限の公共交通機関も整っており、多くの米国留学生が大変だったこととして挙げるような、食事問題、移動問題、人種差別などの問題にはありがたいことに全く直面しなかった。友人の話を聞くと、やはり交通機関の問題は大変だったようなので、行く前にある程度調べて心づもりはしておくと良いかもしれない。

苦労した英語でのコミュニケーション

留学生活の中で困難だったことを挙げるとするならば、英語である。意思疎通程度はできるという自負をもって渡航したが、ネイティブの会話の輪に入るのには最初はとても苦労した。英語力はもちろんだが、英語への自信のなさが問題だったように感じる。そこでやはり渡航前に洋画や英語のドラマを観て、耳を慣らし、表現をもっと勉強しておくべきだったと思う。また振り返ればよい思い出だが、いい意味でも悪い意味でも自身の感情や考えをストレートに表現する友人ともめたこともあった。一般的に日本人は相手の気持ちを考えることを優先しがちだが、やはりそういったことへの価値観も人それぞれだなと良いカルチャーショックだった。

これから留学する人へのメッセージ

当初立てていた目標としては、ウェルネス系の知識を深めること、様々なバックグラウンドをもつ人々と交流し自身の視野を広げることがあった。一点目に関しては、まさに興味のある内容の授業を受け、教授のオフィスアワーに通い、興味を深めることができた。また、もともと興味のあったマインドフルネスセンターの講師の方にも連絡を取り、直接会う機会を作ることができ、とても良かった。二点目に関しては、世界各国からの留学生や現地の学生との交流の中で、達成されたと思う。休暇中には現地の友人の実家に泊まらせてもらい、アメリカの生活のことをたくさん教えてもらう機会も得られた。私が留学期間中、学んだ最も重要なことは、行動を起こすことの大切さである。留学期間中、自分から動かない限りどんな機会も得られない。しかし、自分から小さなことでも行動を起こすと、本当に多くの機会に恵まれるし、素敵な人にも出会える。失敗したとしても、帰国後の話題の種にもなるので、気軽に様々なことに挑戦してほしい。